月に1回か2回、病院に行くでしょう?
待合室、子どもがいっぱい。
たぶん、小児科並みに、子どもがたくさんいると思う。
子どもと、お母さん。
乳母車の中の乳児もいるし、やっと歩けるくらいの子もいるし、もっともっと大きい子もいるし。
子ども用のおもちゃもあるし。
あと、絵本も充実してる。
たくさんのお母さんが、子どもに絵本を読んであげる。
今日、僕のとなりで、お母さんが、両端に座らせた子どもふたりに絵本を読んでるんだけど、もう、熱演なの。
感情、入りまくり。
楽しいところは、ほんと楽しそうだし、悲しいところは、泣き出しそうだし。
僕、ケータイを見てるふりで、そのお母さんに夢中。
怖いシーンでは、両端の子どもをぐっ、ってつかんだりして、雰囲気出すの。
僕の前のベンチで、また別のお母さんが、子どもに絵本を読んであげてるんだけど、その子ども、自分のお母さんが読んでるの、聞いてないの。
僕のとなりの、熱演お母さんの読み聞かせに気をとられて。
そんなわけで、月に1回か2回は、こうやって、たくさんの子どもを間近で見ることができる。
不思議、前って、僕、子どもって、どちらかというと、好きじゃなかったはずなんだけど。
ただ、うるさいだけ、みたいな。
最近、ぜんぜん、そう思わなくなった。
すっげ、かわいく感じる。
なんなの、これ。
動物が自然に持つ、射精できるうちに子孫を残さねば、的な生殖本能とか、そういうのと関係しているのかなあ。
って、子どもがほしいとは、全く思わないけれど。
それとも、あの待合室だから、そう思うのかな。
あの子どもたちは、30年前の僕だもん。
そして、となりには、30年前の僕の母が。