元カノ、アキコ

人と付き合うのに、特別な理由なんてない。
好きだから、会いたいから、その人と付き合うのが普通よね。
それを、義務って感じてしまうのは、なんかおかしい。

音楽のはなしなんだけどさ。
好きなアーティストって、いるでしょ?
新しいCDが出るのが楽しみで、いつも発売日に買ってる、みたいな・・。
かつて、僕にとって、矢野顕子がそうだった。

僕が、初めて彼女のCDを買ったのは、高校2年のとき。
1992年のことで、あれから、ちょうど20年にもなるんだ。
高校を卒業するころには、それまでの過去のアルバムをすべてそろえてた。
そして、年に1枚リリースされる、新しいCDを買うようになった。

ライヴも行ったし、書籍やヴィデオも買ったりしたし。
なにより、彼女のCDを聴き込んでた。
高校のときも、大学のときも、仕事を始めてからも、日常に彼女の音楽があることが特別ではなかった。

今から、3年半前、正月。
彼女の新しいCDを、旅先の神戸で買った。
それが、僕が買う、最後の彼女のCDとなった。
その彼女の新作が、あまり好きでなかった、というんじゃなくて、急に、彼女への興味が、薄れたの。
あれ、なんだったんだろう。
なにかの魔法がとけたみたいに、僕の中から、彼女がいなくなってしまったというか。

僕って極端というか、やると決めたら徹底的。
持ってた彼女のCDを、すべて手放した。
本とか、ライヴのパンフ類とかヴィデオとか、全部。
CDの、音源はとっておく、なんてこともしないよ。
何もなかったかのように、完全に、僕の暮らしの中から矢野顕子を消失させたの。

矢野顕子を卒業して、完全に思い出にしてしまった。
好きなアーティストを聞かれて、矢野顕子って、言わなくなった。

** ** ** **

あれから数年、それでね・・。
最近、ひょんなことから、矢野顕子のCDを聴くことがあったんだ。
3年半前に聴いた、当時の新作の曲とか。
そしたら、うわー、なんかいい! とか、思ってしまって。
これって、別れた恋人と、数年ぶりにばったり再会、って感じに近い感覚だった。
別れたときは、あんなかみ合わなくなってたのに、なんか、今、すごく、変に波長が合う! みたいなね。

むかし、あのころは、ちょっと義務っぽい感じになってたから。
今、すごく自由に音楽を感じられてるのかな。
距離をあけたことで、こんな気分になれたんだろうな。

これから、そのときの気分で、彼女のことを愛そうっと。
こんなの、ほんとうの元恋人じゃあできないこと!
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by ishokuju | 2012-07-08 04:38 | MUSIC | Comments(0)
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